33歳でおじさんに片足ツッコんでるのに「大きくなったね」って言われても

 

僕は、もう母に
会うことはできない。

 

 

高校3年生の夏、母は他界した。
今から15年も前のことだ。

 

 

大の母親っ子だった僕にとって
母の死は言葉にできないくらい
ツラいものであった。

 

 

しかし人間という生き物は
良くも悪くも“忘れる”生き物だ。

 

 

さすがに15年も経つと
母を思い出して悲しく
なることは少ない。

 

 

マザコン精神まる出しで
自分の母を紹介すると、

 

・結構な美人

・笑顔がまぶしい

・周りの友人からも好かれていた

・言いたいことを溜めこんでしまう

・周りを気遣うやさしい人

・山登りが好き

・僕と同じくアキレス腱を切っている

・僕と兄貴を心から愛してくれていた

 

 

こんな感じで
母との思い出は尽きない。

 

 

ただ、母が亡くなってから
夢の中に出てきたことは
ほとんどない。

 

 

よく亡くなったら夢に
出てくると言われているが。

 

 

15年間でたった3回。

 

 

しかも3回目は、
つい先日のことだ。

 

 

夢に出てきたのを
僕が覚えていないのか、

そもそも夢に出てきて
いないのか…

 

 

それすらも分からない。

 

 

しかも2回目に
夢に出てきた時の
様子を
まるで覚えていない…

 

 

なんとも薄情な息子である。

 

 

ただ、1回目に夢に
出てきてくれた時と、

3回目に出てきてくれた時の
様子はハッキリと覚えている。

 

 

1回目は、母が亡くなって
49日が過ぎた頃。

 

 

突然、母が夢に出てきた。

 

 

妙にリアルな夢で、

 

母:「ごめんね、もう行かなきゃいけないの」

 

僕:「嫌だ!行かないで!お願いだから!行かないで!」

 

 

僕は泣き叫びながら、
母に行かないでくれと懇願した。

 

 

しかし、
母はスーッと消えていき、

次の瞬間、目が覚めていた。

 

 

顔は涙でグシャグシャになっていた。

 

 

夢を見て泣いてしまうなんて、
初めての経験だった。

 

 

本当にリアルな夢で、
亡くなった母と会えたような
感覚になった。

 

 

そして後日、母の友人から
興味深い話を聴いた。

 

 

母の友人には幽霊が
見える人がいるらしく、

その人がこのように
言っていたようだ。

 

「あなたのお母さん、49日を過ぎてもこっちの世界にいたのよ。

本当は49日までに、向こうの世界に行かなきゃいけないのに。

あなたとお兄ちゃんのことが心配だったみたいね。

でも49日を少し過ぎてから、無事に向こうに行けたみたい。よかったね」

 

その話を聴いて
とても驚いた。

 

 

ちなみに、49日過ぎて
母が夢に出てきたことを
僕は母の友人に話していない。

 

 

もしかすると、本当に母は
夢の中に出てきてサヨナラを

言ってくれたのかもしれない。

 

 

幽霊とかそういうのは
よく分からないけど、
でもそう思った。

 

 

それにしても死んでからも
心配をかけるなんて、

本当にどうしようもない
ドラ息子だったと思うけど。

 

 

 

ただ、それ以降
母が夢に出てくることは
ほとんどなかった。

 

 

2回目に夢に出てきた時は、
ほとんど覚えていない。

 

 

「多分、母さんが夢に出てきたな」

 

と起きた時に感じた程度だ。

 

 

 

母が亡くなってから
夢の中に出てきたのは
その2回だけである。

 

 

 

しかし…

 

 

3回目がつい先日やってきた。

 

 

母が夢に出てきたのだ。

 

 

昔のまま
時が止まったように、

僕が記憶している姿で、
母は夢に出てきてくれた。

 

 

母が言ってくれた言葉で
覚えているのはたった一言だけ。

 

 

「大きくなったね」

 

 

このたった一言。

 

 

たった一言だけど、
その言葉を聞いた時、
涙が止まらなかった。

 

 

「大きくなったって
 もうおじさんだよ…」

 

 

泣きながら答えた。

 

 

母は笑顔で消えていき、
次の瞬間、目が覚めていた。

 

 

 

母が49日後に夢に
出てきてくれた時と同じように

僕の顔は涙でグシャグシャに
なっていた。

 

 

夢を見て泣くとか、
おじさんに片足ツッコんだ
33歳の男がなにやってるんだか。

 

 

われながらみっともない。

 

 

だけど、
母が夢に出てきてくれて
本当に嬉しかった。

 

 

来月は母の命日だから
フライングで登場してくれたのかな。

 

 

33歳だからもうこれ以上
背は伸びないと思うし、

体的に大きくなることは
ないと思うけど。

 

(デブになったら話は別だけど)

 

 

 

だけど…

 

人間的にもっと大きくなって、

「大きくなったね」

って、また母に夢に
出て来てもらおう。

 

 

母なら、また来てくれる
かもしれないから。

 

 

そう誓った33歳の夏なのでした。

 

 

 

いや、でも…

 

出てきてくれるかなー。

 

 

15年でたった3回だからな。

 

 

母はうっかり屋だから
他のことで間違って
出てきてくれるかも。

 

 

気長に待つとします。

 

 

来月の命日は、
母が好きだったビールを
買っていくとしよう。

 

 

やべっ、書いてたら
また泣きそうになってきた…

 

 

▼大切な人に捧げるレクイエム

大切な人に捧げるレクイエム

2017.06.21

※以前、違うブログで書いた記事をオガビジョンにお引っ越しさせました。ぜひ見てやってください。


好きなことで生きていくためには…

近い将来、人工知能が人間の仕事の大部分を奪っていくでしょう。ではなぜ「好きなことで稼ぐこと」が生き残り戦略として正しいと言い切れるのか?


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です